診療情報管理士とは、ライブラリーとしての診療録を高い精度で機能させ、そこに含まれるデータや情報を加工、分析、編集し活用することにより医療の安全管理、質の向上および病院の経営管理に寄与する専門職業です。
(日本病院会より引用)
昨今では、医療費の増大や少子高齢化等により、DPC/PDPS(医療費の包括制度)の導入、医療IT化の推進、医療機能の分化等の医療改革が推進されており、また、がん患者が医療機関に受診した際に行政機関に詳細な医療情報の提出を義務づける「がん登録」や病院の診療機能を開示する「臨床指標」の作成が医療機関に求められています。
診療情報管理士は、これらの業務を行うために、診療録を適切に監査・管理し、高い精度の情報をデータベース化・分析することにより、病院運営に貢献するマネジメント職といえます。
Q&A
- 診療情報管理士になるにはどうしたらよいですか?
- 養成機関は、通信教育や大学・専門学校があります。
現在は、認定者のうち、約半数が養成校卒業者となっています。診療情報管理士になるには
- 養成機関ではどのようなことを学びますか?
- 下記の科目を学び、単位を取得することが受験資格に必要です。
大学や専門学校では、これらのほかに各養成機関が定める科目を履修することになります。基礎科目
- 医療概論
- 人体構造・機能論
- 臨床医学総論(外傷学・先天異常等含む)
- 臨床医学各論Ⅰ(感染症および寄生虫症)
- 臨床医学各論Ⅱ(新生物)
- 臨床医学各論Ⅲ(血液・代謝・内分泌等)
- 臨床医学各論Ⅳ(精神・脳神経・感覚器系等)
- 臨床医学各論Ⅴ(循環器・呼吸器系等)
- 臨床医学各論Ⅵ(消化器・泌尿器系等)
- 臨床医学各論Ⅶ(周産期系)
- 臨床医学各論Ⅷ(皮膚・筋骨格系)
- 医学用語
小計 12科目
専門科目
- 医療管理総論
- 医療管理各論Ⅰ(病院管理)
- 医療管理各論Ⅱ(診療報酬制度と評価指標)
- 医療情報学
- 医療統計学
- 診療情報管理論Ⅰ(総論)
- 診療情報管理論Ⅱ(実務)
- 国際疾病分類概論
- 分類法
小計 9科目
合計 21科目 - 病院ではどのような仕事をしますか?
- 病院の医療機能によって様々ですが、おおむね下記のような仕事を行います。
また、病院によっては、学んだ知識を活用して診療現場をサポートするクラーク業務をされている方もいらっしゃいます。- 診療録を適正に保管する業務
- 診療録が適切に記載されていることを監査・管理する業務
- 診療録から必要な情報を抽出し、データベースに登録する業務
- 登録した診療情報を分析する業務
- 入院の医療包括制度に関して、治療した病名が適切に選択・コード化されているかどうか確認する業務
- 病院の医療情報システムを管理する業務 等
- どのような就職先がありますか?
- 病院・診療所で勤務する診療情報管理士が多数ですが、下記のような就職先につく方もいらっしゃいます。
- 大学・専門学校の教員
- ソフトウェア会社
- コンサルティング会社
- 行政機関(保健行政等に従事)