HOME > 活動レポート > 第145回北海道診療情報管理研究会学術集会(報告)

第145回北海道診療情報管理研究会学術集会(報告)

第145回 平成28年6月11日(土)に「第145回北海道診療情報管理研究会学術集会」が株式会社モロオ ANNEX-1にて開催されました。今回は150名以上が参加し、研究会への関心の高さが伺えました。
 第145回 第1部、第2部は川崎医療福祉大学 医療マネジメント学部 医療情報学科 准教授 阿南 誠 様より講演頂きました。
 座長の中村理事長よりご略歴紹介の際に「Mr.管理士」と紹介された後、「診療情報管理士の業務と今後の期待」というテーマで第1部がスタートしました。
 まず始めに今年の10月に東京で第18回IFHIMA国際大会が開催されることもあり、IFHIMAに関するお話がありました。カナダで開催されたIFHIMAについて写真を交えながら説明して頂きました。
 カナダのコメディアンの方とお話されている写真もあり笑顔の阿南さんが印象的でした。第18回IFHIMA国際大会にぜひ多くの方々の参加をお待ちしておりますとのことでした。
 次に、阿南さんご自身が診療情報管理士になるまでの経緯についてのお話しがあり、その内容に当時働いていた職場でそろばんを使っていた時もあったとのことを聞いてビックリ!しました。しかし、その後すぐに関数電卓を職場へ広めそろばんを使用する人はいなくなったそうです。
 診療情報管理士の歴史についてもお話しがあり、日本の診療情報管理を開拓した方々のお話を聞いた時には今自分が診療情報管理士として働けているのもそのような方々がいたおかげなのだと実感しました。

第145回 また、海外で診療情報を管理している方々と交流されていた際の写真やお話も紹介して頂きソウル、ミラノ、ヴェネツィアに行った際のお話は普段聞くことのできない貴重な内容でした。
 これからの診療情報管理士に求められることは全体を俯瞰できる人材とグローバルなスキルをもった人材とのことでした。いつか私も海外の管理士に会って交流してみたいです。
 さらにこれから診療情報管理業務の多様化、拡大化に伴い情報の精度に対する要求が高くなるのではないかと述べられており診療情報管理士としての責任の重さを改めて意識することができました。 
 第145回 第2部は引き続き「DPCコーディングとコーディングテキストの改訂について」というテーマで講演がありました。現在のコーディングテキストが完成されるまでに支払側や医療側等、様々な意見が集約され作成されたとのことでした。
 また、DPCコーディングにおける注意点も聞くことができ実践に役立てられる大変参考になるお話でした。やはりアップコーディングについては改めて注意しなければいけないポイントだと思いました。
 コーディングテキストについては原疾患主義の考え方や急性期ではない患者の取り扱い等、まだ検討しなければいけない課題があるとのことですが、そのような課題が解決されることを期待しつつ、今後の動向に注目していきたいです。
 第145回 第3部は2016年1月より施行された全国がん登録制度に伴い「全国がん登録の仕組みと登録」をテーマに国立病院機構 北海道がんセンター がん登録室 登録係長 齊藤 真美 様より講演がありました。
 がん登録の基本である届出の対象になるがんに関する内容を始め、登録項目の定義、登録する際の注意点など具体的に説明して頂き全国がん登録を行う際に役立てられる情報ばかりでした。また、北海道のがん登録に関する課題としてDCN(死亡情報で初めて登録室が把握した患者)割合が高いため精度向上が求められるとのことでした。
 私も院内がん登録業務を行っているため、改めて精度に関し意識して登録を進めていこうと思いました。法制化となりより一層登録精度が求められる中、大変参考になった講演でした。
 今回の研究会で得た知識を踏まえ改めて診療情報管理士としての業務に取り組んでいきたいと思います。
 第145回 最後にお忙しい中、ご講演頂きました阿南様、齋藤様、貴重なご講演をありがとうございました。また、企画された研究会理事の方々、ありがとうございました。

【文責:王子総合病院 延藤雅仁】