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第149回北海道診療情報管理研究会学術集会(報告及びアンケート結果)

IMG_0329 平成29年6月3日(土)「第149回北海道診療情報管理研究会学術集会」は札幌市中央区ほくたけビルにて開催され、参加者は120名でした。
 当研究会瀬尾研究会副理事長より開会の挨拶が行われ講演に移りました。
IMG_0336 第1部は、「保険診療の基礎」と題して、藤原秀俊北海道医師会副会長(札幌秀友会病院 理事長)の講演が行われました。内容は、「レセプトについて」「保険診療上のルール」「保険医療機関への指導・監査について」等、それぞれの基本的な用語の解説等含めてお話頂きました。   
 その中で、「レセプトについて」では、保険医について、保険医の基本について話され、「カルテの記載は保険医の義務であり、それが診察した証である」ことを強調されました。
 また、「保険診療上のルール」では、療養担当規則(第22条)、保険診療の禁止事項については、「指導・管理料は証拠が必要であり、カルテに内容の要点を記載していること」が必須要件である事が話されました。
 「保険医療機関への指導・監査について」は、集団指導、集団的個別指導、共同指導、個別指導、適時調査などの5つの指導形態についてお話頂き、実際の個別指導について、ご経験されている立会人としての印象を交え話されました。
 さらに、適時調査(施設基準に関する調査)の施設基準の重要性と対策、何故、施設基準は厳しいのかについてなど、日々の業務に活かしていかねばと再認識することができた講演でした。

 また、講演の最後に、「もっとも大事なことは医師のカルテ記載」とまとめられ、改めて私たち診療情報管理に携わる者の業務の一つである「監査」についてその重要性について教えて頂きました。IMG_0349 第2部は、「改正個人情報保護法を踏まえた運用の検討」についてと題し、坂本大蔵弁護士(弁護士法人ほくと総合法律事務所)の講演でした。
 今回の改正は、2017年5月30日に全面施行となりました。そして、この講演の目的は、「改正個人情報保護法における改正点」、「改正に伴い発生する病院業務の運用改善点」、「個人情報の漏洩事案、セキュリティインシデント事案をもとに、個人情報漏洩、セキュリティインシデント発生は、医療機関・介護施設の存続を危ぶませるリスクであることを認識する」ことです。
 個人情報保護法における改正点のうち、新設されたのは、①個人識別符号、②要配慮個人情報、③匿名加工情報であり、他にも緩和されたもの、権利化されたもの、特則などなどがあり、改めて、改正法下での「個人情報」の整理をして把握することが重要と話されました。
 法律、政令、ガイドライン、ガイダンス等の確認が必要で、特に医療の場合は「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」およびそのQ&A(事例集)がありますので確認しておくことが必須と思いました。

 最後に、当研究会瀬尾副理事長の閉会の挨拶が行われ学術集会の終了となりました。IMG_0385 研究会終了後に、平成29年度総会が行われました。
 会員数225名中、出席数38名、委任状提出者数114名で総会成立となりました。倉部副理事長より萩平順一理事、山口華代子監事の退任、萩平理事の後任は理事会にて推薦、山口監事の後任は、古川真紀子(日鋼記念病院)が就任との報告があり挨拶が行われました。
 この議案を含め、第1号議案から第7号議案まで資料に沿っての報告が行われ、すべての議案が承認されました。IMG_0358【最後に】
 お忙しい中、ご講演頂きました藤原様、坂本様、貴重なご講演ありがとうございました。また出席頂いた会員の皆様方におかれましても、お忙しいところご参加いただき、ありがとうございました。
 またのご参加を役員一同心よりお待ちしております。

【文責:宮津】

【第149回学術集会アンケート集計結果】
 学術集会参加者よりいただいたアンケート結果です。
○回答者(参加者)
 今回は回答率77.5%で過去3回と比較し男性の数が多く、特に20,30,50代が増えています。第149回結果1 第149回結果2 
 回答者(参加者)の多くは事務員で、診療情報管理士の資格は回答者の8割以上が取得しています。今回講演テーマの一つが改正個人情報保護法だったこともあり、前回までと比べ、診療情報管理士の資格を持っていない参加者がやや多かったようです。
第149回結果3 
 回答者(参加者)の日常携わる業務は、診療録の点検・登録、DPC点検登録、がん登録業務となっています。保険請求業務に携わっている参加者も2割ほどいました。
第149回結果4

○講演の感想
 第1部(保険診療の基礎)も第2部(改正個人情報保護法)も、ともに分かりやすく役立つといった回答が多数を占めました。
 第1部では、講師の藤原先生の本音トークが良かったと評価する声があったり、具体的な事例が欲しいといった意見もありました。

 第2部では質疑の内容が非常に貴重だったとする意見や「分かりやすかった」「難しかった」といった意見がありました。
 非常に難しいテーマを坂本先生が丁寧に解説したり、質問に答えていただいたという印象です。

○今後取り上げてほしいテーマ
 アンケート回答者から、最も希望があったテーマは「診療記録」でどの年代からもニーズが高かったです。
 また、40代ではDPC、20代ではICDコーディングに関するニーズが多い傾向にありました。
そのほか、がん登録や分析に関する希望もありました。
 今後、これらを参考に学術集会のテーマに反映させていきたいと思います。

第149回結果5