生涯教育セミナー(初級)
生涯教育セミナー初級が下記の日程で開催されました。
開催日:平成29年11月18日(土曜日)
場 所:北農健保会館(特別会議室)
単元「DPCコーディング概論」(13:30~14:30)
単元「医療情報システム概論」(14:45~15:45)
単元「デジタルデータの基礎-拡張子と特性を理解する-」(16:00~16:30)
今回も参加された方の参加記をご紹介します。
《生涯教育セミナーに参加して:社会医療法人 鳩仁会 札幌中央病院 佐藤舞》
前日に雪が降ったこともあり、当日は路面状況があまり良くない中での開催となりましたが、満員御礼53名の参加がありました。
第1部「DPCコーディング概論」講師 宮津 志津子先生
「疾病、障害および死因統計分類提要」(ICD-10第1巻)によるコーディングルールと、「DPC/PDPS傷病名コーディングテキスト」におけるルールについて理解を深め、それぞれのコーディングの違い、傷病名の選択ルールについて理解ができるようになることが講義の目標でした。
ICD-10によるコーディングは、ほとんどの方が日常業務で行っているかと思いますが、DPCデータを登録する病院が増えている中、今一度、それぞれのルールを整理する機会になり、復習という意味でも大変勉強になりました。
また、DPCデータの提出は、今後の診療報酬改定でも届け出対象病棟の拡大が予想されるので、DPCコーディング概論はDPC病院ではなくても診療情報管理士にとって欠かせない知識となっています。DPCコーディングの基本として「対象期間は入院期間であることから、退院後には変更しない」というルールがありますが、検体病理結果が退院後に出るなどの理由で、医師サマリーと退院時に決定した病名が違うことがあります。
診療情報管理士の役割として、これらをきちんと区別して病名登録をしてくことは大変重要であり、当院でも見直さなければいけないと感じました。
第2部「医療情報システム概論」 講師 盛永 剛先生
電子カルテシステム・オーダリングシステム・部門システム等を統合して「医療情報システム」と呼ばれることが多く、これらのシステムを導入して運用している病院が多い昨今では、診療情報管理士にとっても深めなければいけない知識です。
この講義では、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に沿った運用・管理を中心に学習をしました。電子化は進んでいる病院は多いと思いますが、ガイドラインをきちんと読めていないという方も多いのではないでしょうか。
IT戦略の歩みを背景とし、よく聞く用語の整理、医療情報システムの問題点・課題、診療情報管理士としての関わり等を学ぶことができました。
私はまだ紙カルテしか経験したことがなく、電子カルテに移行した場合のメリットばかりを考えがちでしたが、問題点や課題も学ぶことが出来たので、今後の運用計画に役立てることが出来そうです。
院内にシステム専任者がいる・いないに関わらず、これからは診療情報管理士も医療情報システムの知識を深め、院内のシステム作りに寄与できるよう努めなければいけないと感じました。
第3部「デジタルデータの基礎拡張子と特性を理解する」 講師 初山 貴先生
普段からデジタルデータを扱うことは、診療情報管理業務にとっては欠かせないこととなっていますが、ファイルの拡張子やその特性をきちんと理解した上で使い分けているという方ばかりではないかと思います。
私自身、10年間診療情報管理業務に携わってきたにも関わらず、これらを十分に理解をしていたとは言い難く、「なんとなく」使い分けていました。
この講義では、その「なんとなく」をクリアにでき、「なるほど、そういうことだったのか」とこれまでの事象を紐付して理解することができました。
業務でエクセル・テキストファイル、画像などのデジタルデータを扱うことは当たり前になっており、昨今では院内業務に限らず、厚労省等へ提出するデータもデジタルデータをオンラインで提出することが増えています。
その中には、拡張子やファイルの特性を理解していないと、エラーで提出できないこともあり、今一度基礎を学べたことはとても有意義であったと感じています。特に、テキストファイルはDPCデータファイルや、全国がん登録ファイルとしても使用するので、診療情報管理士はその特性を理解しておくことは必須といえそうです。
《参加された方のアンケートのコメントの一部をご紹介します。
・臨床医学→循環器分野について聞きたいです。
・いろいろ準備等ありがとうございました。
・ICDコーディングのセミナーお願いします。
・学ぶことが多く大変勉強になった。
・ほとんど毎回参加させて頂いておりますが、とても勉強になり有り難く思っております。
今回は定員40名に対して50名以上の参加希望を頂きました、ありがとうございました。ご意見やご要望につきましては、今後のセミナーへ活かしていきたいと思います。
次回セミナーでまたお会いしましょう。
【担当理事:久保】