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第156回北海道診療情報管理研究会学術集会(報告)

 令和元年9月14日(土)株式会社モロオ ANNEX-1において「第156回北海道診療情報管理研究会学術集会」が開催されました。
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第一部講演
「診療情報の分類整理と活用」 講師:野間 充 先生
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 診療情報の有効な活用方法を学ぶため、今回参加しました。実際は、診療記録(紙、電子)、レントゲン袋、文書(スキャン)等の整理から人工知能(AI)を利用した近未来的な話まで、幅広い範囲の講演内容で濃密な90分間でした。
 最初に、先生の自己紹介と診療情報に関する歴史についてご講演いただきました。先生がこれまでに赴任した、幾多の病院でそれぞれ診療録やレントゲン袋等の扱いについて大きな差があったことが述べられました。
 次に、病院情報システムにおける診療情報の分類整理と題しまして、電子カルテ等における、膨大な診療情報の分類整理と利活用についてお話いただき、整然と一元的に分類整理を行えば、無限のアウトプットが行えることがわかり、自院でも自在に電子カルテを利活用してみたいと思いました。
 最後に、診療記録作成の督促及び診療記録を支援するNECの取り組みとして、現在、NECが開発中の技術の紹介でした。主に、診療情報管理士の多くが日ごろ、ルーチンワークとしている、退院時サマリの督促、診療記録の量的監査等。そして、音声による記録作成支援、人工知能(AI)を用いた分類整理等、RPAと呼ばれる、ソフトウエアロボットのお話は大変興味深かったです。
 診療情報を取り巻く環境は、日進月歩進んでおり、IT化に置いていかれないようにし、かつ、基本は変わらないので、そこはしっかりと押さえていかねばと改めて思いました。
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第二部講演
「様々なフィールドで活躍している診療情報管理士」として各業務にあたっている5分野の診療情報管理士に講演いただきました。

①経営管理:経営管理と診療情報管理士としての役割
演 者:公益社団法人 北海道勤労者医療協会 勤医協中央病院  鶴谷 拓雄
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【内容】
 診療データを最大限に有効活用し、収益増に向けた医療活動方針の作成をはじめ、DPC係数やDPC期間比率を取り上げ、空床確保を含む急性期機能向上に分析活用し、より効率的な経営に貢献する取組について説明、又、診療情報管理士の必要性を粘り強く説き、資格取得に向けた支援制度を創設した発表でした。

②医師事務作業補助:当院の医師事務作業補助業務について
演 者:日本赤十字社 旭川赤十字病院  山田 浩貴
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【内容】
 旭川赤十字病院では、19名の診療情報管理士、33名の医師事務作業補助者が各セクションで活躍しており、特に、医師事務作業補助者については行ってよい業務が限定的だが、規模、人数により各施設により様々。
 医師事務作業補助者の新人教育はある程度の医学知識がある診療情報管理士が行うのと、そうでないのでは全然違う。医師事務作業補助者の指導者クラスの育成は大変。診療情報管理士は日々勉強を怠らないことが大切。

③地域連携:様々なフィールドで活躍している診療情報管理士「地域医療連携」
演 者:市立函館病院  平田 愛起
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【内容】
 地域医療連携システムに関する業務をはじめ、医師派遣の旅費に関すること、退院の返書管理、データ集計業務等のデスクワークから、講演会、各種研修会の準備、各医療機関への挨拶回り(営業)等々、多岐に渡る医療連携課の業務の紹介でした。
 あと、五稜郭タワーのピンクリボンキャンペーンライトアップにも関係しているのは驚きでした。

④がん登録:診療情報管理士が行うがん登録 ~当部署のがん登録業務について~
演 者:王子総合病院  延藤 雅仁
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【内容】
 業務の一つとして、がん登録が行われているが、登録業務、届出票提出はもとより、データを元にした、現況報告書、統計作成、DPCを使ったQI研究へのデータ提出等かなり細かな業務が行われている。登録態勢も充実しており、登録件数は年々増加している。診療情報管理士の資格が医学知識、コーディング知識で生かされ、日々の登録判定作業を効率的に進めることができる。
 今後は、ケースファインディングの効率化、品質管理システムの作成・改善、登録の精度向上が目標とのことです。

⑤情報システム管理:情報システム管理
演 者:社会医療法人禎心会 札幌禎心会病院  濱田 朋里
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【内容】
演者は、林業・造園、短大のコンピュータ管理等を経て医療業界へ入った管理士。最初に入職した病院では、電子カルテ、オーダリングは一切なく全て紙媒体でその上人数が少数で受付や当直までこなした。
 しかし、電子カルテに接することなく管理士として致命的と判断し、現在の病院に入職。しかし、情報システム管理やデータ抽出が主で、プロ意識から、ハードな要求にも応え、多忙な毎日を送っているとのことです。診療情報管理士はシステムと医療の両方の知識を持って院内の橋渡しをすることが理想。

 講演が終了後、演者全員が集まりパネルディスカッションが行われ、発表演題についての質疑応答、それぞれの施設での立場や知名度などの発表がありました。

【旭川医療センター 佐藤 慎介(担当理事 山田 浩貴)】