HOME > 活動レポート > 第158回北海道診療情報管理研究会学術集会(報告)

第158回北海道診療情報管理研究会学術集会(報告)

令和3年3月13日(土)Zoom ウェビナー形式による WEB 開催 にて、第158回北海道診療情報管理研究会学術集会が開催されました。

■第 1 部 講演 (13:35-14:30)
「登録した診療情報を活用していますか?
~事例をもとに診療情報の活用について一緒に考えよう~」
診療情報管理研究会 理事 初山 貴 様

hatsuご講演前半は診療情報管理の変遷を分かりやすく、過去の事例や学会論文を用いてお話いただきました。時代やツールが変わっても活用に備えてデータの作成をするという診療情報管理の基礎は不変であり、蓄積した情報は活用されて初めてその価値が生きてきます。特別なことではなく、日常業務の中で情報管理の力を養うことが重要であると認識いたしました。

そして後半は、「診療情報管理士テキスト」や「診療情報管理士業務指針」を引用し情報の定義・活用を振り返っていただき、勤務されている北海道大学病院の実務例の紹介がありました。ご講演冒頭にもお話しいただいたように、情報のニーズは、医療機関や部署・担当業務で異なります。日頃からデータを俯瞰してみるという意識をもつことで、活用のチャンスが訪れた時に生かせると思いました。

■第 2 部 講演 (14:45-15:55)
「医療 AI 時代の診療情報管理」
北海道情報大学 医療情報学部 医療情報学科 教授 上杉 正人 様

uesugi情報学を専攻している学生さんが学んでいるような専門的なお話を拝聴でき、大変貴重なお時間でした。これまでは、「人工知能」は万能だから人間はいらなくなると多くの一般人は思っており、AIが普及するとなくなる職業の中に診療情報管理士も含まれ、心配な情報も目にしておりました。しかし、今回「人工知能に『知能』はない 擬人化して考えるのは誤り」「人間が与えた入力データに対して、訓練されたように答えるよう推論(計算)するだけのもの」、AIが医療現場で活躍する背景には、人によってデータの質を担保することが重要であるとお話しいただき、私自身が「某人型ロボット P君」になってしまわぬよう自ら考えて情報を取り扱わなければと、再認識いたしました。

第1部から第2部を通して、診療情報管理の過去から未来を学ぶことができ、とても有意義な時間となりました。また、はじめてのWEB開催で、しかも自宅からの参加でしたが、集中力が切れることもなくあっという間の2時間半でした。しかし、集合形式ならでは、ということもありますので、一日も早く皆さんと再会できる日が訪れるとうれしいなとより一層強く思いました。

【北海道大学病院 医療支援課 診療録情報係 山口華代子(担当理事 山田 浩貴)】